石川けんじ
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福田市長の「朝鮮学校への補助金交付中止」は撤回を!

2月10日、福田市長は、自民党の代表質問に答え、今年度の朝鮮学校への補助金の交付を行わないと表明しました。これまで、川崎市では、市内にある2つの朝鮮初級学校(初級学校は、日本の幼稚園にあたる幼稚部と小学校にあたる初級部からなっている)に対し、施設や研修、授業料などの補助(年間約840万円)を行ってきました。それを、県が補助金を打ち切ったことを理由に、交付を中止することは、これまで、市が交付の理由に掲げてきた「教育権の保障」という大切な視点を投げ捨てるものです。

今年、8月21日の市民委員会で、朝鮮学校の補助金問題を議論した際、日本が批准している「子どもの権利条約」では、締結国は、その管理下にある児童に対し(中略)いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、および、確保する」と規定し、「教育権」を保障するように求めています。ましてや、川崎市では、「川崎市子どもの権利に関する条例」を制定し、子どもの権利を守ることを宣言した市です。

北朝鮮が核実験の問題でも、拉致問題でも、許すことのできない行為を行ってきたことは問題です。その制裁措置として、補助金を打ち切った自治体もあります。しかし、外交問題と地域住民の生活を守るという次元の違う問題を混同し、罪のない子どもたちに、その矛先を向けることは、大きな間違いです。

  さらに、他文化共生を掲げる川崎市では、人権尊重教育が推進され、在日韓国人・朝鮮人の多住地域では、児童・保護者・教職員・地域住民が様々な交流活動を続けています。こうした取り組みに、市長自ら、水を差すものです。 「県が補助しないから」と政策転換のろくな説明もせず、突然、補助金の打ち切りを宣言した市長の見識が問われます。

議会終了後に直ちに「朝鮮学校への補助金交付を中止せず継続することを求める申し入れ」を行いました。市長には、強く再考を求めたいと思います。