カラっと報告

川崎市2010年度予算・代表質問について

2010年3月9日

大幅な市税収入の落ち込み。市内中小企業の経営の悪化、市民生活がより一層深刻さを増している現れです。それだけに、地方自治体の役割である「住民の福祉の増進」に力を入れた予算になっているかということが、問題です。

雇用対策と中小企業支援はどうでしょうか。

千代田区では、介護現場の人材不足対策として、非正規職員の正規職員へお格上げ、時給の引き上げ等のために、補助を始めました。また、北九州市では、就職が困難な高校卒業生のために、市長はじめ市の幹部が市内企業を訪問、就職機会を広げました。雇用問題の大本は国の法律ですが、地方自治体で出来ることも少なくありません。
しかし、阿部市長は、国の制度の活用を述べるだけで、新たな行動に立ち上がろうとせず、介護や障害福祉を担う人たちの働き続けたい気持ちに応える市独自の施策についても何ら示されませんでした。高校生の就職についても、就職説明会の案内を送っただけの冷たい対応でした。

住民の福祉はどうでしょうか。

特別養護老人ホームの整備の遅れは深刻で、今年1月1日現在の待機者は5339名で毎年増え続けています。08年09年度の整備は37床増えただけで、横浜市が毎年900~1000床増やしてきたことに比べても、立ち遅れは深刻です。しかし、市は「要介護度3以上の方で、在宅介護が困難」な人に対象を絞り、整備目標は1225床で事足りるとしています。この目標を実態に見合ったものに改めることが必要です。

子育ての分野では、保育園の待機児童解消が引き続き深刻。4月の保育所入所の新規申請数は昨年より414人増え6367人でした。2月10日現在の不承諾数は2513人、これから認可保育園以外の施設を探さなければなりません。市は毎年1000人の枠の拡大を行うとしていますが、待機児解消を果たす目標にはなっていません。また、2010年には1070名の枠の拡大を行うとしていますが、そのうち、690名はほとんど園庭のない「民間事業者活用型保育所」で、長期間保育する環境としては、問題があります。

幼稚園児童に対する補助金も、国が補助額を増やした低所得者層は増額したものの、大半は前年度のままで、保育料の値上がりで経済的負担は増えることになります。

小児医療費の無料化についても「充実する」との市長公約は果たされず、「国の動向を見て」と、他都市が独自に無料化を広げているにもかかわらず、「現状維持」のままです。

大企業には手厚い支援

このように、市民生活を守る熱意が感じられない予算内容ですが、大企業支援では、「イノベート川崎」という工場誘致の補助金は、エリーパワー1社に3年間で4億5700万円の補助を決定、さらに、宮前区野川から殿町3丁目に移転する、財団法人実験動物研究所の施設整備にも、億単位の補助が出されることが予定されています。

また、かつて倒産した「コンテナターミナル」には、新たに11億円かけて「ガントリークレーン」の整備が計画され、その設計費が計上されました。現在でも、週に9隻程度の利用しかないコンテナターミナルに、さらに11億円もの巨費を投じるのは、明らかに過剰投資で、市内中小企業や市民の声より、大企業の声を優先する市の姿勢がよくあらわれています。

日本共産党市議団は、こうした税金の使い方を改め、特養や保育園の整備、障害者(低所得1・2)の市の単独事業の利用料の無料化、中小企業への固定経費補助など、市内経済と市民生活を支える補正予算を提出し、市政の転換を広く訴えて行きたいと思います。