石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

食品の放射線観測について、北部市場での取り組みを伺いました。

放射能の食品への影響を心配する声は多い。食品の玄関口、北部市場でその検査が昨年11月から始まっています。今回(3月1日)は、その現場である「中央卸売市場食品衛生検査所」を訪ねました。井上 恭延所長と本間幸子理化学検査係長のお二人が出迎えてくださり、説明をしてくれました。

昨年11月に観測器具(aloka 171B)が導入され、農産物は月5品目、水産物は2月から3品目の「抜き取り」調査を行っています。食品を細かく切って、容器に入れ、それを鉛の囲いの中で測定します。こちらで、調べた検体は、再び川崎区にある「衛生研究所」に送られ、ゲルマニウム半導体検出器により、より詳細に検査します。

これまでに調べた食品は、農作物で大根・にら・ブロッコリー・なす・ほうれん草・白菜など20品目(2月まで)。水産物は2月からでイナダ・アカガレイ・ゴマサバの3品目。

選定する品目は季節ものなど、事業者と相談して決めるとのことでした。「もっと、増えませんか?」との質問に、「事業者に協力で商品を提供してもらっているので」と、なかなか、難しそう。それに、もともと、ここでは、「残留農薬」や「細菌」の検査や、食品の表示が規則通り表示されているかなどを調べていて、朝早い仕事だけに、週に2日は、職員も泊り込んで、監視指導を行っているとのこと、今回、新たな職員の増員はありませんでした。手間と時間のかかる調査には、人数も予算も不足しているのではと思いました。

それでも、少しでも、チェックを強化してほしいというのは市民のお願い、小さなお子さんを抱えている家庭では、なおさらです。「水産物でも特に貝が心配」との私たちの要望に「検討してみます」と井上所長さん。厚生労働省は、食品に含まれる放射線セシウムの新たな規制値を4月から適用。1キロ当たり500ベクレルから「一般食品」は100ベクレルとなります。この検査所でも500ベクレルの二分一を目安に簡易測定していましたが、今後はどうなるのか。「どうすれば、いいのか。まだ、まだ、これから」と話す所長さんの表情にも戸惑いがあるように思えました。

どれだけやればいいのかの線引きは難しいかもしれません。しかし、市民の不安にこたえるのは、行政の役割です。一つでも多くの食品を検査してもらい、安心して食べられる環境を保障するために、頑張ってもらいたいし、「予算」も「人」も増やすことが必要と感じました。