石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

安全対策に不信感が募った、リニア新幹線の説明会

  IMG_2964 (640x480)

   7月24日リニア新幹線計画の説明会が麻生市民館で行われました。JR東海(株)と神奈川県期成同盟の共催で行われたものです。会場には、予め申し込みを行った市民が参加し、説明を受けた後、質疑応答が行われました。今回は、「環境影響評価」の進捗状況と中間駅のイメージを伝えるためとJR東海(株)は説明。「環境影響評価書」は8月中にだし、改めて説明会を開催するとして、ルート・排気棟の位置などは、「評価書」の中で明らかにするとして、具体的な説明はなされませんでした。

質疑の中で、胃印象的だったのが、安全対策についてです。約1000人を運ぶとされるリニア新幹線、運転は遠隔操作で、無人運転です。「いざというときに、避難誘導できるのか?」との質問に、「お客様のサービスのために、乗務員を複数配置する。非常時の時には、乗務員が誘導する。移動困難な方の避難は、お客様の協力も必要」と答えました。「複数」という漠然とした人数の示し方に、不安を通り越して怒りさえ感じました。2名だって複数ですから!“お客さんの助け合い”に頼る安全対策なんて論外です。

さらに、避難路の確保についても、疑問が深まるばかりです。大深度トンネル(地下40m・17階ぐらい)から地上に出るには、5キロごとに掘られた「立て坑(排気口)」しかありません。会場からは「階段では上がれない。エレベーターは何人乗りなのか、避難にどのくらいの時間がかかるのか?」との質問に、「検討中」としか答えられず、「トンネルの下部が避難路になっており、気圧も高くなっており、煙も入ってこないようになっているので安全」と繰り返すだけでした。だとすると、地上へ避難する対策は必要ないから検討していないということなのでしょうか?たび重なる質問に「けが人が出ることもあることから、ストレッチャーが乗れるようにする」と答えたのには、驚きました。1000人を運ばなければならないエレベーターが、ストレッチャーが乗るスペースを確保する程度にしか考えていないのか!と思わざるを得ませんでした。

保守点検に関わる人数の質問もあり、「現在の新幹線は、約3000人が従事している。リニア新幹線では、コストの上でも経営が成り立つようする」と安全対策に必要な人数の確保がどのくらい必要なのか示しませんでした。「経営が成り立つように」との言葉に、「利益第一」で大事故を起こした、鉄道事業の過去の教訓が生かされていないと痛感しました。

他にも、まだまだ、問題点が出ましたが、具体的な答弁を避けるJR東海(株)には、不信感が残る説明会となりました。白紙撤回しかないことを改めて痛感しました。