石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

12議会で一般質問を行いました。

11月27日から12月20日まで、川崎市議会第4回定例会(12月議会)が開かれました。私は、12月20日に一般質問を行い、①コミュニティ交通の社会的役割と支援の充実②鷺沼駅前等の再整備③川崎市障がい者相談支援センター事業の充実④有馬子ども公園の整備⑤市営住宅の定期借家制度の導入について、それぞれ、質問を行いました。

コミュニティ交通に対する財政的支援の充実を

地域の高齢化で高まる「コミュニティ交通」の必要性

コミュニティ交通について「どこへ行くにも山の上にある団地は、下まで降りたり登ったり、老人にとって大変厳しい。コミュニティバスが通れば、買い物も外出も楽しくなる。ひきこもりも少なくなると思う」などの住民の声を紹介し、まちづくり局長の率直な感想を求めました。金子督まちづくり局長は「超高齢化社会の進展等を踏まえ、身近な地域における交通の一層の充実を図るため、地域特性や市民ニーズを踏まえた取り組みが重要」と述べ「地域の特性に応じた取り組みを推進して参りたい」と答えました。

「交通に関する施策の推進は、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図るために欠くことのできないものである」と、まちづくり局長が答弁

住民の移動が制約されると、日常生活や文化生活、社会参加がきわめて貧困になる。国や地方自治体は、国民・住民の生存を保証する責務を負い、移動する権利を保障する責務を負うとする見解について、市の見解を質しました。金子まちづくり局長は「交通政策基本法において、交通に関する施策の推進は、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図るために欠くことのできないものである」「改訂作業を進めている本市の総合都市交通計画においても「市民生活を支える公共交通の強化を重点施策の一つとして位置づけている」

コミュニティ交通の事業の立ち上げや継続するための課題解決を

「コミュニティ交通の必要性は誰しも感じていながら、事業の立ち上げや継続には困難が伴うが、市はその課題をどう取られているのか」と質しました。金子まちづくり局長は「持続可能な事業性の確保が重要」とし、「負担の大きい初期車両費や買換えの車両費への財政的支援、高齢者等に対する運賃補助の割り増しの実証実験などを行っている。今後も、様々な手法の導入や必要な支援のあり方について、幅広く検討を行ってまいりたい」と答えました。私は「さらなる財政支援」を強く求めるとともに、事業化されていない野川南台住宅のコミュニティ交通(みらい号)についても財政的支援を求めました。

障がい者の電話相談―安心につながる事業の充実を

私は精神障がいをかかえた方から、電話相談を利用したい時、「電話がなかなかつながらない」との意見を頂いたとして、相談件数や相談体制について、質しました。成田哲夫健康福祉局長は「障害者相談支援センターについては、障がいのある方やそのご家族などの身近な相談窓口としてあらゆる相談を受け止める総合相談や地域において生活ができるよう地域づくりを行っている」とセンターの役割を述べ、相談件数が増加していること(表1)職員体制は、基幹型が常勤3名、非常勤1名の4名体制。地域型が常勤2名非常勤1名の3名体制であると説明しました。また、精神保健福祉センターの「心の電話相談」について、2014年度から平日の9時から21時までの相談時間を拡大したことで相談件数が増えている実態を明らかにしました(表2)

障害者支援センターの相談件数( )内は電話相談数

市内センターの相談件数

2014年度

63,525件 (21,344件)

2015年度

69,797件 (22,644件)

2016年度

69,797件 (22,579件)

精神保健福祉センターの「こころの電話相談」の相談件数

相談平均時間17分、自殺に関する相談 286件(2016年度)

相談件数

2014年度

3,532件

2015年度

5,015件

2016年度

4,649件

また、年始年末の相談体制の強化を求めたのに対し、成田局長は「緊急時の相談が必要な方の安心につながるよう、相談機関の周知に努めるとともに、電話がつながりにくいといったご意見につきましては、運営法人や関係機関等と情報交換を行い、状況の把握に努める」と答えました。私は「問題の解決には、それぞれのしせつの人員の拡大や相談窓口事態の増設が必要」だとして「運営法人や関係機関の実情によく耳を傾け、必要な財政措置を講じるよう」求めました。

市営住宅の定期借家制度の導入はやめるべき

川崎市が来年度からモデル実施を検討している市営住宅への「定期借家制度」は、一定の期間を経過した利用者を所得の状況に関係なく追い出す制度で、検討内容について質しました。金子督まちづくり局長は「高齢化率のとくに高い市営住宅のうち、比較的利便性が良く、子育てにとってニーズが高いと見込まれる住宅の中から選定する。対象世帯や期間等の詳細について検討している」と答えました。

石川議員は、かつて国交省の見解は「公共住宅は住宅に困窮する低所得者のために賃貸する住宅であり、定期借家制度はなじまない」としていた見解や2005年に「活用を図る」としたときにでも「期間満了後の入居者の住居の住宅確保に十分配慮した上でと条件をつけている」「公営住宅法はその目的で『国及び地方自治体が協力して健全で文化的な生活を営むに足りうる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸する』としており、困窮状態が改善されていないのに追い出すやり方はすべきでない」と見解を求めました。金子局長は「将来的に自助努力により住宅困窮事情が解消してゆくと考えられる子育て世帯等の一時的に住宅に困窮する世帯を対象に、期限満了後の住宅の安定確保にも十分配慮した上で、他都市の事例も参考にしつつ、適切な制度設計に努めて参る」と答えました。

私は「住宅に困窮する状況が変わらないのに、住民を追い出す制度を子育て支援とは言えない。入居の機会をより多くの住民に保証するというのなら、住宅の戸数そのものを増やすべき。市営住宅に定期借家制度の導入を行うべきではない」と求めました。

文化交流・子育て支援など区民の声活かした鷺沼駅前の再整備を

現在の駅前広場と商業施設「フレル」を含む役1.9㏊の再開発です。地権者の東急電鉄や横浜銀行、JAセレサなどが再開発十尾組合を昨年8月に立ち上げ、2019年度の都市計画決定に向け準備が進められています。私は一昨年12月議会で早期の住民説明会の開催を求めたことから、事業の進捗状況について質しました。金子督まちづくり局長は「できるだけ早い時期に事業概要等が明らかになるよう準備組合に求めて参りたい」と答弁しました。

整備される機能についての検討状況を質したのに対して金子まちづくり局長は「多様なライフスタイルに対応する商業や都市型住宅、文化交流や子育て支援に資する機能など、地域生活拠点にふさわしい都市機能を誘導して参りたい」としました。

また、交通広場の再整備について金子局長は「同駅を中心とした宮前区内の交通アクセスの向上を図ることが大変重要。交通広場やバスバースの拡充等、交通結節点としての機能強化について関係機関と協議する」としました。私は、市バスを運営する交通局長に「この機会をどう活かすのか」質問し、平野誠交通局長は「バスバース等の拡充に伴うバス路線の拡充につきましては、複数の停留所を確保するなど課題がある。こうした課題について関係局等との調整を進めて参りたい」と答弁。石川議員は「聖マリアンナ病院など区内の拠点施設への利便性向上を求めました。

宮前平駅前のバス停に上屋設置を

宮前平駅の改修工事に伴って、宮前平駅の区役所側のバス停(5番乗り場)について、上屋の設置を求めたのに対し、平野交通局長は、「上屋の設置はお客様に快適で安全なバス待ち空間を提供する上でも、重要なこと」としましたが、当該停留所は、「現状では上屋設置基準の乗客人員を満たしておらず、街路樹や道路照明等があるなど、設置は困難」との考えを示しました。しかし、設置基準の見直しを含め「今後、市バス乗客流動実態調査の結果を踏まえ調査して参りたい」と答えました。

有馬こども公園の雨水対策や安全対策を

有馬6丁目の「有馬こども公園」は、バックネットのある野球ができる公園で、これまで少年野球の練習場所として、青少年育成の貴重な拠点施設となっていました。ところが、雨の時など、周辺の雨水がグランドに入ってしまい、せっかく整備したグランドがでこぼこになってしまいます。そこで、私は「雨水が公園内に入ってこないような対策と安全に運動ができるようグランドの整備が必要」と質しました。また、公園内の遊具の設置場所にボールが飛ばないようネットを高くすることも求めました。藤倉茂起建設緑政局長は「多目的広場への雨水流入対策についきましては、南側の植栽地~雨水が流れ込むことから、簡易土留めを補修し、対応して参りたい」「防球フェンスや広場周辺に設置された可動式ネットの高さについては、今後、その必要性について、宮前区役所道路公園センターと連携し、公園の理世婦実態等の調査をして参りたい」と答えました。