石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

リニア新幹線大深度地下使用の認可申請に関する説明会が行われました。

5月14日宮前市民館大ホールでリニア新幹線の「大深度地下利用の認可申請」に関する説明会がJR東海によって行われました。会場には125名の市民が集まりました。

今回の説明会はJR東海が進めているリニア新幹線が、地下40m以深を掘り進めにあたって、国に「大深度法」の申請にあたり説明をするものです。2001年に施行された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(大深度法)は、地下40m以深なら地上の土地の権利者の同意や許可なくトンネル工事が出来るというもので、事業者が申請を行い、国が認可するものです。

当日、配布された資料には、区内を通るルートの地図が示されていますが、問題は、自分の家の下をリニア工事が進められるのに、当事者は十分に知らされていないということです。

説明会では「梶ヶ谷の残土の鉄道輸送の予定は?」「ペースメーカーなどへの次回の影響はないのか?」「地震対策は本当に大丈夫か?」「梶ヶ谷で行われている県が進める雨水貯留施設の工事への影響はないのか?」など、さまざまな質問が出されました。「残土運搬」については、「鉄道を利用するとともに、鉄道では臨機応変に対応できないものについては、ダンプも利用する」。「地震対策」については、「地表より揺れは小さく、大深度では耐震設計の必要はない」としました。また、磁界の影響についても、「地上部も車内も基準値以下で影響がない」と強調しましたが、車内の磁力対策に不具合が生じた場合などの説明はありませんでした。「災害時対応」については「車椅子の対応が出来るのか」との質問には「職員研修を行う」としましたが、1000人の乗客を『複数人(高津区のでの説明)』の乗務員の体制については、「今後検討」と不安の残る回答でした。

私は「沿線住民への事業の周知が必要」「シールド工法は24時間稼動だが、梶ヶ谷の作業所は深夜も作業を行うのか、すべきではない」「地震に強いというが、地殻変動への対応はあるのか」質問を行いました。

JR東海の回答は、「説明会のご案内を、当社HP,地元町内会の回覧板、市政のたよりでお知らせしており、十分に周知した。」と答え、今後、改めて住民に周知する考えがないとしました。「梶ヶ谷の作業所の稼動時間」についても「今後、工事を発注する中で事業者と協議する。夜間の作業でも全体を建物で覆うなど防音対策を行う。ただし、トラックが出てゆくようなことはない」など、夜間作業もありうるとしました。「活断層」については、関東区間には、活断層はない」としましたが、南アルプスなどについての言及はありませんでした。

もともと、リニア新幹線は強い電磁波の環境や人体に対する影響への安全対策が十分検証されているとは言えず、品川~名古屋区間の86%がトンネルであることから災害時の対応、新幹線の3倍の電力の使用、水枯れなど環境に与える影響など、事業計画そのものに大きな問題がある事業で、日本共産党は、事業中止を求めているものです。また、採算性も疑問視されるなかで、3兆円もの財政投融資を行い、事業費の調達を支援するなど、政府ぐるみの大規模開発といえ、これらの資金が談合の温床となっているといえます。

川崎市では、工事自体は推進の立場を取っていますが、10年以上にも及ぶ工事の影響の大きさから、出来るだけ市民生活への影響を少なくするよう要請してゆくとしており、今後具体的な対策における市の市政も問われることになります。