石川けんじ
石川けんじ石川けんじ

2019年6月議会で一般質問を行いました。(その5)鷺沼駅前再開発と区役所・図書館・市民館の移転について

宮前区沿線まちづくりのイメージ川崎市の「沿線まちづくりのイメージ」

宮前区のまちづくりのイメージは政府のコンパクトシティそのもの

私は、鷺沼駅周辺再整備について、はじめに、市が描く「宮前区のまちづくりの構想」について質問しました。「平成29年度 鷺沼駅周辺地区まちづくり推進業務報告書」において、田園都市線の沿線まちづくりのイメージが示され、鷺沼駅を多様な都市機能集積エリアとして高齢者住宅や保育所、医療など整備を進め、けやき平や宮前平に住む高齢者を鷺沼に「住み替え」を行い、空いたところに若者層を呼び込むイメージが描かれていることに関して、「このイメージに沿ったまちづくりを進めようとしているのか」質しました。

岩田友利まちづくり局長は、「平成29年度鷺沼駅周辺地区まちづくり推進業務委託」報告書は、鷺沼駅周辺のまちづくりを推進するために作成したものであり、「沿線まちづくりのイメージ」につきましては、行政計画として具体的なまちづくりを定めたものではない」と答えましたが、「コンパクトで効果的なまちづくり」「交通利便性の高い駅周辺においては、多様なニーズに対応した都市機能の誘導や公共交通による駅へのアクセス向上に向けた取り組みを推進していく」との宮前区のまちづくりの基本姿勢を示し、「駅から離れたエリアにおいては、地域交通の場の形成や多世代が交流できる住環境の整備を推進する」と答えました。これは、国が推し進めるコンパクトシティの構想そのものです。

図書館の移転で利用児童・生徒への影響は?

私は、「駅前に機能を集中する考え方は、利便性を高める面と、その一方でその機能が奪われる地域を生み出す」として、具体的事例として、市内で2番目に生徒・児童の利用者が多い宮前図書館について移転に対する影響と対策について質問しました。

小田嶋満教育長は「宮前図書館は、年間6万人を超える児童生徒への図書資料の貸出を行っているほか、読書普及活動として実施している『おはなし会』には、毎年1000人を超える親子の参加があり、本に親しんでいただいている」「鷺沼駅周辺再整備に伴う図書館の移転につきましては、交通結節機能や都市としての機能が向上する鷺沼駅周辺への移転・整備することにより、利便性の向上が図られ、来館者数や貸出冊数の増加につながるものと考えている」「現在、図書館の付近にお住いの方々にとりましては、今回の移転により、これまでより来館に時間を要することとなりますが、宮前図書館は区内全域への幅広い図書サービスを提供しております」と答弁。生徒・児童への影響や対策について、答弁はありませんでした。

生徒・児童にとって、図書館は「居場所」です。「交通の便利さ」より「近く」が良い。

「交通結機能、利便性の向上といった価値観は、生徒児童にとっても重要な価値なのでしょうか」と、2016年3月の川崎市社会教育委員会議「地域をつなぐ拠点としての社会教育施設を求めて」という研究報告書では、図書館の「居場所」としての機能に着目し「一般利用者と児童生徒の利用者とでは図書館の選定が異なるのではないか」と指摘していることを紹介し、「児童生徒にとっての図書館は、近くにあることが第1条件になる。児童生徒の利用者から図書館の立地条件を分析すると、駅から若干離れた場所に位置していること、大規模な施設の中ではない図書館の利用率が高いことがわかると分析している」として、移転計画の見直しを求めました。