石川けんじ
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川崎市の新型コロナ関連の補正予算。今こそ、豊かな財政を使い、医療崩壊、経営破綻、生活破壊から市民を守れ!

   5月13日に開かれた第3回臨時議会において、川崎市の新型コロナウイルス対策としての1789億円の補正予算の審査が行われ、各党の代表質疑が行われました。他都市が国の地方創生臨時交付金や市の予算を使い、市独自で医療関係や事業所の支援を打ち出しているのに、川崎市には国の支援の上乗せや市の予算を使っての対策が、ありません。その中で、30億円の予算をかけて「川崎じもと応援券」という商品券を発行することについて、「今やるべき最高の支援か」など、他党からも批判が行われました。同日行われた、総務委員会では「市の独自施策として協力金等の支援策を速やかに講じること」「医療崩壊を避けるための対策を講じる」こと等を求めた、付帯決議案が提案され、15日の臨時会で図られる事態になりました。

〇遅れているPCR検査の充実を!病院の財政の状況をつかみ、財政支援を早急に!

  最も重要な感染対策でも、PCR検査について、市は3か所のPCR検査センターを開設するとしていますが、その運営費は補正予算には計上されず、通常の予算から捻出されます。金額は3か所で1800万円に過ぎません。検査センター1か所あたり5000万円かかるといわれているのに、全く足りません。

  4月26日現在の市内のPCR検査実施数は、累計で1858件、帰国者・接触者相談センターへの相談件数は、1万1810人なので、検査実施率は16%に過ぎません。他都市との比較でも遅れは明瞭です。市内の10万人あたりのPCR検査実施数は151.6人(5月7日現在)で、政令市平均は194人で下から5番目です。抜本的な体制強化と財政措置が必要です。

  また、新型コロナ感染者を受け入れる病院への財政的支援は待ったなしです。補正予算では、感染症対応のための施設、施設の消毒、空床補償、人材確保などを行うとして6億3100円余の予算が組まれましたが、疑いのある疑似症者受け入れ病院も含めると市内に11施設(4月27日現在)あり、杉並区では、1病院当たり平均月2億円の損失補填を行うことと比べ、あまりの低さです。しかも、市からの持ち出しの予算はありません。

〇「商品券」より今を持ちこたえる支援を!

  事業者についても、静岡市では、休業要請に対し50万円の給付を市単独で実施、北九州市では、家賃の5分の4(50万円を上限)を補助するなど、多くの自治体で独自の支援策があります。県内の政令市の横浜市や相模原市でも、独自の支援策を打ち出している中で、中小・零細企業者に対し、協力金などの独自の支援がないのは川崎市だけです。

  その一方で、経済対策として「目玉」とされたのが、「川崎じもと応援券」の発売です。これは、30億円で商品券に30%のプレミアムを上乗せするというもので、その財源は、国の地方創生臨時交付金です。発行時期について市は「新型コロナウィルス感染症の状況を見極めつつ」と述べているように、緊急事態のもとで、今現在は利用できるものではありません。この「商品券」の案内を10万円給付の申請書類に同封して、購入の協力を求めるとしていることも、大変な生活を強いられている市民の気持ちや実態から、かけ離れたものと言わなければなりません。「プレミアム付き商品券」を否定するものではありませんが、医療崩壊や経営破綻、失業など、市民生活を支える待ったなしの様々な対策が求められているときに、行なう対策ではありません。

川崎市には、政令市トップの財政力があります。その財政力を市民のために今活かさずにいつ使うのか、この立場で議会で論戦しました。日本共産党は、問題の改善を求めましたが、速やかに「特別定額給付金」などの手続きを進める必要があることから、総務委員会で賛成をしました。付帯決議とともに、15日臨時会において採決にかけられます。