石川けんじ
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コミュニティバス実現の切実な声活かせる「手引き」の見直しを

みらい号

   ミニバスやコミュニティバスの実現は、山坂の多い宮前区民にとって、切実な問題です。現在、麻生区・高石地区の「山ゆり号」、多摩区・長尾台地区の「あじさい号」が事業化されているほか、宮前区では、野川南台住宅の自治会が運行する「みらい号」、白幡台地区のスーパーが運行する買い物バスがあります。高山団地を中心とした地域では、コミュニティバス導入を目指した「地域協議会」が検討を行ってきました。

現在の市の取り組みの問題点は、運行経費への財政的支援がないことです。また、新たな導入について、実現までのプロセスが長く、長い時間と労力が地元住民の負担となっていることです。

8月31日のまちづくり委員会で示された「地域交通の手引き」の見直し検討は、一定この問題の改善を図ろうとするものです。まず、運行経費への支援では、今まで、車両の購入費や高齢者や障がい者の利用に対する割引のへの補助(1乗車あたり110円)以外は、人件費もガソリン代も出ませんでした。今回の見直し検討では、運行経費の内、車の保険料や車検代を支援するというものです。また、野川南台住宅の「みらい号」について、今までは、最初の車両の購入費だけで全く支援はありませんでしたが、車両の更新など、他のコミュニティ交通と同様の扱いとするというものです。不十分ではありますが、地元の皆さんや私が求めてきたことが、少し実現することになりそうです。

また、実現までのプロセスが長い時間を要していた問題でも、早い段階で実施実験を行うことができる「トライアル制度」を導入して、今まで、プロセスの最後の方で行っていた運行計画を作成する段階で「運行実験」を早期に行うことができるようにすることです。

同時に、見直し検討では、「多様な主体との連携」を掲げ、お買い物バスや様々な送迎車両の活用など、その運行がお店や事業所などの参入を促すことも掲げられ、本来市が負うべき市民の移動について責任をあいまいにすることも懸念されます。今後、今年の12月から来年1月にかけ、パブリックコメントにより市民からの意見募集を行い、来年3月に「地域交通の手びき」改定が行われます。さらに、運行経費への支援の充実や、市が責任をもって交通課題に取り組むことなど、声を上げてゆきたいと思います。そして、何よりも、今年10月に予定されている川崎市長選挙で、コミュニティ交通の実施と支援の強化を訴えている「市古ひろかず」市長を誕生させることが、市民の切実な声の実現には必要です。