石川けんじ
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雇用シンポ、日本共産党 筒井晴彦さんの講演を聞きました。

 

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ある日突然、職を失ったら途方に暮れてしまいます。また、安定した職に就けず、先の見えない暮らしも辛く耐えられません。人を物のように切り捨てる社会が間違っていることは、誰でも感じていると思います。でも、企業も競争を強いられる中で、「人間らしい働き方」は実現できるのだろうか?

そんな問の答えが、5月11日に多摩市民館で開かれた「雇用シンポ」にありました。日本共産党の雇用政策を作り上げたスタッフの一人、筒井晴彦さんの話に、「人間らしく働くことのできる社会」の可能性を垣間見ることができました。

筒井さんは、初めに「雇用の問題を、『世界標準』でみると、見え方が変わってきます」と言って、国連やヨーロッパでは、雇用問題でどのような議論が行われているのか、話が続きます。

先進国の中で唯一賃金が下がり続ける日本、国内総生産が下がり続けているのも日本だけ。労働者が働いて生み出した富がどれだけ賃金として還元されているか(労働分配率)を見ても、フォルックスワーゲン社は59%、トヨタは37%と低い。

「国際競争力」を高めるために、人を減らしたり、非正規化で人件費を削る、これが日本の企業の考え方ですが、ヨーロッパでは、「ヨーロッパは、コストだけで競争するようなことを望むわけにいかない(2005年10月ヨーロッパ首脳会議―COM(2005)525final)」「ヨーロッパは、低賃金と低技能を利用して国際労働力を維持することはできない(2007年3月 欧州議会雇用・社会問題委員会)」など、国際競争力を単にコスト面だけで考えていません。

また、ILO(国際労働機関)は「持続可能な企業」の考え方として

□労働者をコストとしてではなく財産として考える

□熟練労働者は、企業の競争力の源泉

□人件費や人員の削減は、万策尽きた後の最後の手段。

□企業のリストラとは、必ずしもコスト削減や人員削減を伴うものではない。

などの指摘がされ、企業の運営がこうした視点を踏まえて行われています。

さらに、ILOでは、「ディーセントワーク(人間らしい労働)」の実現を各国に呼びかけています。①十分な所得 ②労働者の権利 ③社会保障 ④そしてこれらすべてを貫くものとしてジェンダー平等があります。

これらの点だけ見ても、日本共産党が主張してきているように、「働くときは正社員が当たり前」「賃金の値上げ」「男女平等」などの提案が、国際的には「常識」になっていることばかりだとお分かりいただけると思います。

「デイーセントワーク(人間らしい労働)」は世界基準の考え方であり、経済発展の道筋です。多くの方に、日本共産党の雇用政策を読んでいただき、「人間らしく働ける日本」を作ってゆかなければと思います。